2018年5月1日(火)

 

年12回あるとされる今ひとつ薄味なプレミアムフライデーを廃止して祝日を2日増やせばいいと思うのです。

 

 

ご存知の通りプレミアムフライデーは大手企業にお勤めになる、そもそも休暇が取りやすそうな方々へさらなる余暇時間と消費機会を与えるためのものでしかありません。ぼくのような個人事業主にプレミアムフライデーの余波がくるはずもなく何の旨味もないのです。狭い交友関係を見渡しても結果は同じ、金曜の夕方に映画館や箱根にいる大人はおられません。

 

 

時間にもお金にも余裕がある方々が日本経済を回されることに異論はありませんが、空転するプロモーションや形骸化しつつあるこのシステムを横目に思うのは15時に終業できる人々への憧れとそんな職業に就けなかった自責の念です。

 

 

プレミアムフライデーという名称もいまひとつ乗り切れません。“月末の金曜日に15時で仕事を終える”ことの難しさを指してのプレミアムならば納得ですが、15時あがりの早退をプレミアムと呼ぶのは飛躍しすぎ、2〜3時間の早退をプレミアムと呼ばなければならないほど日本の労働環境は劣悪なのですか。ここは身の丈に合った「早金」(はやきん)あたりで良かったなと思います。

 

 

その点でゴールデンウィークはいかにもゴールデンウィークです。ゴールデンなんてフレーズをこんなにもさらりと使えるのは、やはり祝日の多さです。1日でもありがたい祝日が4つも含まれているゴールデンウィークは、みんなが休まなければ休めない国民性がよく活かされています。

 

 

そんなゴールデンウィーク真っ最中の今、長野に帰省しています。新幹線は空いていました。指定席を取りながらも指定より早い新幹線の自由席で帰る余裕さです。一昨年の真田丸ブーム、昨年の大型観光キャンペーン信州D.Cに対して今年は何もないので仕方ありませんが、春の美しさはいつも通りに美しいので是非いらして欲しいと思います。

 

 

今年は例年より暖かくて過ごしやすいです。ほとんどの桜も咲き終えて今は菜の花が満開。山々の残雪も少なめで朝晩はストーブに頼らず眠れます。身体の中の空気もすっかり入れ替えられました。

 

 

旅先では普段できないことを平気でしてしまいます。たとえば毎日ソフトクリームを食べるとか。1日1ソフトクリームが目標の破天荒ぶりです。多くの観光地でご当地ソフトクリームが並びだしたら正式な冬の終わりなのですが、それにしても最近のご当地ソフトクリームはレベルが高い。どこで何を舐めてもハズレません。新潟県の光ヶ原高原の牛乳ソフト、長野県の黒姫高原のとうもろこしソフトなどはそれだけの為に訪ねたい旨さです。

 

 

手にしたソフトクリームは5月でもすぐに溶け出します。ぼんやりしていると手に滴り落ち慌ててティッシュを探す間にズボンに垂らしてしまう始末、旅先でズボンを汚すダメージはなかなかのものです。だからソフトクリームはごく限られた時間のあいだにすべてを舐めきらなければならない、これは旅にも同じことが言えるんです。放っておいたら時間はどんどん垂れ流れてしまう、旅の何たるかはソフトクリームに凝縮されているように思うのです。やがて戻る厳しい日常生活に備えて思い出と脂肪をたっぷりと蓄える、それが旅先で食べるソフトクリームの美味しさであり、祝日の醍醐味であると思います。