2018年5月24日(木)
謝罪会見が流行りです。たくさんのカメラのたくさんのフラッシュにさらされる人の長過ぎるお辞儀にも驚かなくなりました。長けりゃいいってもんではないのですがお辞儀の時間は意図的に延ばされて20〜30秒はざらです。もっぱら放送事故状態です。笑えない罰ゲームはつまらない。
バラエティ番組から“バンジージャンプ”が消えつつあります。バンジージャンプはもともとバヌアツ共和国の成人の通過儀礼であることをぼくは既に小学生の頃「アメリカ横断ウルトラクイズ」を観て知っておったわけです。アメリカ横断ウルトラクイズで優勝するのが夢でしたから、アメリカへは成田空港でするじゃんけんで勝って行くものだと思い込んでいました。いまだにニューヨークどころかアメリカすら行ったことないのですが。
勇気を試す儀式であった“バンジージャンプ”が海を越え大きな曲解を経て、この国では罰ゲームとして脚光を浴びるわけです。さすが罰を与えるのが大好きな国、罰ゲームのクオリティにもMADE IN JAPANが息づいています。
バンジージャンプと入れ替わるようにして発明された罰ゲームに「電気ビリビリ」があります。大量の静電気を蓄電させてからバチッ!っと放電させるアレです。いくらでんじろう先生が監修しようが怖いものは怖いし痛いものは痛いと思うのですが、過酷な罰ゲームを罰ゲームとして消化できるのは芸人さんならでは、悪人ならただの刑になりますから。
四季の中では冬が最も苦手なんですが、その理由は<1>夜が早い<2>服をたくさん着る、そして<3>静電気が起きやすい、があるからです。そう「電気ビリビリ」です。
最近は「電気ビリビリ」をくらわないよう服装にも気を使い、静電気が好きな化学繊維をやめて綿中心の暮らしを送っとるわけです。エレベーターは指を“く”の字に曲げてプラスチックのボタン部分に狙いをすまし押しています。鉄の部分に触れたらやられますから。扉は自動がいいですが、どうしてもノブに触らなければならない扉は開けてもらうのを待つことさえあります。誰も来なければ木やゴムに触れて放電してからノブに触ります。そこまで策を講じてもひと冬に何度もくらうのだから「電気ビリビリ」への恐怖は年々増すばかりです。
歳をとると勇気さえ忘れてしまうようです。二十歳の若者が勇気を示した謝罪会見と六十二歳の権力者による保身ばかりの謝罪会見。罰ゲームをやり切った人と逃げた人。勇気ある一歩を踏み出した先には新しくて輝かしい未来が待っていそうな気配です。