2018年8月7日(火)
この夏の暑さを30年に1度の激レアなものだとして、気象庁が異常気象と命名しました。これにより5年前の夏に高知県で41℃を記録した異常気象に早くも後輩ができたわけです。異常気象だから仕方ないよね!みたいな雰囲気にあと何年ノリ続ければいいのでしょう。もう薄々気付いてます、毎年異常気象じゃんって。
最近は「正論」なんてものがちやほやされて久しいですが、正論ってものは言葉にしやすくて真っ当で腑に落ちやすい類の考え方です。そんな正論が印籠のように“ひかえおろう”している時代のせいなのか、既存のモノサシで測れずにうまく言語化できない現象は異常とか変態として片付けられてしまいがちです。
元陸上十種競技日本チャンピオン武井壮さんが白いランニング姿で“百獣の王”と名乗りだした時はそれはそれはCOOLな視線を浴びていました。が、しかし、異常なものも目が慣れてくると日常に見えるから不思議です。今やスポーツ界を飛び出して幅広い層から共感を集める発言力と陸上のマスターズ大会にチャレンジし続ける行動力が広く認められ、清く正しく賢いアスリート兼タレントとして不動の地位を築かれています。それは“百獣の王”で検索するとライオンより先に武井壮の名前が挙がることからもわかります。ただし今はランニングの上にジャケットを羽織っているので見た目にも正常です。
ひとつの時代を築いて後世に名を残される偉人には奇人変人が多いと聞きます。あのエジソンだって小学校の担任から「君の頭は腐っている」と言われて退学させられたり、ニュートンは「ズボンをはかずに役所に出勤した」なんてハードな変人エピソードが多数あります。
それが素の天才ならともかく、他人と違うことをやったり言ったりするのって大量の勇気が必要だと思うのです。武井壮さんだって初めて公衆の面前にランニング姿で現れ“百獣の王”と名乗った時には結構な勇気がいったはずなんです。武井壮さんの場合はピエール瀧さんがどこかのバーで発見したとされていますが、誰にも発見されずにいたら変人として処理されていたかもしれません。
ちょっと前に空気を読めない人をKYだなんて揶揄するブームがありましたが、今は空気を熟読する代わりに誰かが発した勇気を見逃し過ぎではないですかね。自分の家から遠く離れた田舎に行くと「いい空気だな~」って口にするあれと同じ感じで、自分の思考とかけ離れている人に出くわしたら「いい勇気だな~」ってしみじみ言ってあげるべきだと思うのです。
いい勇気だな〜。
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