2019年1月3日(木)

 

雪がしんしんと降る。

 

と言うときのしんしんは「深深」と書くのですが、その意味はイメージ通り【ひっそりと静まりかえっているさま。】だそうです。この「深深」を雪が降るさま以外に発したことがないので「深深」は雪深い冬の実家でしか使わないレアな言葉。今も外は深深と雪が降り続いてる静かな夜です。

 

確実に言いたいことがない限り口を開かないので、平均的な人よりも僕は無口なのかもしれません。今はもう会社とかキャバクラとかにも行きませんし趣味はランニングだけだからそれは余計に思います。

 

たまに行く居酒屋なんかで急に口を開いてみても微塵も声が通らないので会話になりません。

 

 

「この魚、焼き加減いいですね」

 

え?

 

「焼き加減いいですね!」

 

え?

 

「(指さして)これ、うまいです!」

 

 

このように最後は単語ベースに変えざるをえません。つまらない会話で相手にも申し訳ないし意図を伝えきれない自分も歯がゆい。

 

言おうかな〜、でも言わなくてもいいかな〜、突き詰めて考えてしまうと人様に面と向かって言いたいことなんてほとんどないのです。当然SNSなんぞは無口には無用な便利ツールです。だけど時代は何でそんなことわざわざ言ってしまう?のオンパレード、今はもう言いたいことも言えないポイズンな世の中ではないのかもしれません。

 

おかげでいつしかあらゆる酒の席を拒絶するようになりました。テレビのボリュームも7くらいで大丈夫です。爺さんみたいなことを言っとりますが本当です。日曜の朝が好きだったり、人気のない博物館や各停しか停まらない駅前の純喫茶、でかいオフィスビルの普段は誰も使わない非常階段を好むのはそういうわけです。

 

だからでしょうかこの正月はしんしんと降る雪をただ見上げているだけで至福に思えるようになりました。パワハラなどでお疲れの現代人の耳には雪景色がおすすめであると思います。