春の駅舎

2020年3月1日(日)

2019年はぼくを取り巻く環境がすごく変わり、よく言えば仕事をたくさんして、悪く言えば仕事ばかりしていたのですが、人生にはたまにそんな時期もあっていいんじゃないかと、しゃかりきコロンブスに過ごしていたわけなんです。そのせいで犠牲にした物ごとを後悔してもきりがない。次につながる後悔であればそれでいい。ひとつしかない今を嘆いたって時間の無駄ってものです。

 

 

もし会社に勤められるきちんとした人ならば、君は頑張ったから部長の椅子をどうぞとか、新しいプロジェクトに参加しますとか、先々をチラ見できそうな各種要因はありそうなものですが、ありません、中年の個人事業主には。ぼくが今日なにをしているのか、昨春のぼくでは予想もつかないのです。理想はありますけども。

 

 

渋谷の銀座線がいつの間にか移動していて、いつもの銀座線のホームまで駆け上がったら何もなかったのには驚きました。やたらにスケスケの今どきの建造物と、黄ばんだ昭和が混在する今の渋谷駅はとても貴重なんじゃないかと思います。でも、今は常時更新されていくものだから、脱皮中のレアなシーンのこともすぐに忘れて、新しく生まれ変わった渋谷駅に目を細めながら、昔はこの辺に三井住友のATMがあってな、ここにそば屋があってね、おにぎりも買えたんだよ(一度も買ったことはないけど)。あの頃は良かったな〜…なんて言うおじさんになっているのでしょう。

 

 

そんなことを言う自分を予想できても、その自分が、どこで、なにをして、生きているのかはわかりません。煩悩を哲学で薄めたようなことを考えているうちに暮れる日曜日です。“森の中で暮らして朝、ランニングしたあとに、苦めのコーヒーを淹れて、日暮れまで仕事をして一日を終える”理想めがけて歩きつづけていろよ〜オレ、とエールを送るばかりです。

 

 

 

投稿者 片塩 宏朗

お読み頂きありがとうございました。コピーライターをしています。好きなランニングと短歌について時々書きます。フルマラソン:3時間15分28秒、ハーフマラソン:1時間27分59秒、シューズはasicsです。

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