逃げてもいい

2020年6月14日(日)

ステイホームやソーシャルディスタンス、ウィズコロナやアフターコロナとか、カタカナは言いやすいし書きやすいスグレモノです。カタカナ言葉の増殖でますます漢字離れが進んでいます。ウィズと言えばテツヤコムロだったのも遠い昔となりました。

 

ステイホームを無駄にしないよう大掃除を敢行しました。何を捨てて、何を残すのか、ジャッジに次ぐジャッジです。思い出の仕分けとは大変なもので、思い出したいものと思い出したくないものと覚えていないもの、どれが必要になるのかなんてわかりません。将来的に博物館をオープンできるような偉人ならこんな苦労はしないのでしょうけど。散々悩んだ割に、捨ててしまえばとりあえずスッキリして、いつか捨てたことを後悔するまでが凡人の大掃除です。

 

ステイホームとかソーシャルディスタンスとかは嫌いじゃなくて、むしろそっちの方がよっぽど気楽です。どんどん外出しなさい!もっともっと人との距離を詰めなさい!と言われた方が生きにくいなぁと思います。街中で肩と肩がぶつかって「どこに目ぇつけてんだ」的な悲劇が起こらない世の中になると思うと嬉しいです。世の中ってお前ではなく地軸を中心に回ってんだよ気づけよ人間。です。

 

檻の中で長く生きていると、檻が無くなっても逃げないんだそうで。なんとなく気づいてはいたけど、ここじゃなくてもいいじゃん、それじゃなくてもいいじゃん、ってことをハッキリさせてしまった感のある緊急事態宣言の二ヶ月間。スマホゲームなんてやらんでもいけるし、テレビタレントはそんなにいらんし、不倫のニュースがつまらんことは誰もが知ってたし、野党の与党叩きは何の役にも立たないし、満員電車もいらんし、無駄な打ち合わせもストレス解消の飲み会もそんなにはいらんし、明確にジャッジされたわけです。この春の不要不急がもたらしたものは少しだけ整理された家と心。そして檻なんてはじめからなかった毎日です。

 

投稿者 片塩 宏朗

お読み頂きありがとうございました。コピーライターをしています。好きなランニングと短歌について時々書きます。フルマラソン:3時間15分28秒、ハーフマラソン:1時間27分59秒、シューズはasicsです。

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