ソフトクリームの日々

2020年9月7日(月)

自宅で仕事をしたい一心でフリーランスとして働くこと10年。いよいよ打ち合わせまで自宅でできる時代になりました。30分の打ち合わせが30分で終わるのです。今その喜びを噛みしめるように暮らしています。

 

ただ、自宅に引きこもる生活にも限界ってものがあり、陰性を確認してから実家で仕事をすることにしました。それもリモート打ち合わせがなせるわざです。

 

この夏は仕事もたくさんしましたが、それ以上にソフトクリームをたくさん食べました。ひと夏で食べた数で言えば最高で10本くらいは食べました。これもコロナ太りにカウントされるわけです。

 

ソフトクリームをなぜ食べたくなるかと言えば、冷たいとか甘いとか牧場が近いとか諸説ありますが、今しか食べれないと思うから食べたくなるのだと思います。それはつまり旬よりも刹那で希少価値の高い「今」を味わいたいからに他なりません。ソフトクリームの場合、それを“ひと夏”と言い換えることもできます。ひと夏は80年生きても、80回しか経験できませんから、そのレアな“ひと夏”を味わい、すぐに消えて失くなってしまう今を噛み締めているのだと思います。実際は舐めているわけですが。

 

道の駅のベンチに腰を下ろすおばあさんにも、キーホルダーをねだる幼児にも、フリーランスの自営業にも、その手には今まさに溶けゆくソフトクリームの異様なまでの白さ。この夏ぼくらはみんな確かな今を生きているのでした。

投稿者 片塩 宏朗

お読み頂きありがとうございました。コピーライターをしています。好きなランニングと短歌について時々書きます。フルマラソン:3時間15分28秒、ハーフマラソン:1時間27分59秒、シューズはasicsです。

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