2023年5月10日(水)

春になるとパンダが描かれたトラックをやたら目にしますし、入学や入社などの話題も後を絶たないので、自分も変わらなきゃと、うっかり何かを始めようとしてしまいがちです。振り返ってみると僕は春に入社したことも転職したこともなく、最後に入学を経験したのも28年前のこと、もう30年近く変わらない春を迎えていることになります。

 

そんな春にも今年は違うぞ!と思わせるために頭を悩ませた結果、この春は、本を読んで知識を蓄えよう、人と会って社交性をアップさせよう、短歌を新聞歌壇に投稿してみよう、とオールシーズンできることを春に乗じて決意してみました。

 

4月に入ると早速小説や歌集を3〜4冊読んだり、新聞歌壇に短歌を4本投稿しましたが、5月現在、残念ながらまだ人には会えていません。社交性は低空飛行のまま据え置きです。歳をとって初めてわかったことは、歳をとっても人はそんなに変わらないということです。おじさんやおばさんが「気持ちはいつまでも20代のまま」なんてことを口にしがちですが、あれは比喩でも例えでも笑い話でもなくマジであることをおじさんになった今理解できました。いつまでも若々しくいたいのなら、ヘタに成長しないことがおすすめです。間違って出世なんてしてしまったら確実に老けます(世間ではそれをダンディーや美魔女などと呼ぶかもしれません)。そんなことも春は気づかせてくれます。

 

そんなことも春は気づかせてくれます。と言いましたが、そのことは既に昨年の春にも気づいていました。さらには、本を読む、短歌を詠む、人に会うという決意も、毎春されていることにもいい加減気づいています。春に桜が咲くように、黄砂が舞うように、パン祭りが開催されるように、春になると僕は本を読み、短歌を投稿するのです。そして、人を誘う勇気が出ないまま春は過ぎていきます。そのことを一年かけて忘れ、一年後に決意を新たにいつもの決意をするのです。

 

手遅れだって去年も思った春だから今年もきっと大丈夫だよ