2023年6月16日(金)
ファミコンからプレステまで各ハードにわたって将棋ソフトを買ってはコンピューターに負けまくり、コントローラーを叩きつけた暗い思い出しかない僕が将棋を好きでいられたのは、コンピューターを全く寄せ付けない強いプロ棋士たちの存在があったから。コンピューターがどんなに賢くなろうとも、将棋においては長らく人間が最強でした。
プロ棋士の対局は、悟空とベジータの戦いに似ていて、凄すぎて何をしているのかわかりません。ドラゴンボールと違うのは、その勝ち負けに運の要素がまるでないこと、いちいち神様を味方につける必要がないのです。
そんな猛者たちが守り抜いた人間最強時代も2010年代に入ると一気に終焉に向かうことになります。非公式ながらプロ棋士がコンピューターに負けた!なんてニュースがしばしば聞こえるようになり、2013年、遂に公式戦でプロ棋士がコンピューターに正式に負けました。以降、コンピューターはAIの進化に合わせてどんどん強くなり、コンピューターは戦う相手から教えを請う先生へと、そのポジションを変えることになりました。
将棋の対局中継でも、AIオススメの指し手が画面に表示されるようになったおかげで、プロ棋士たちがその通りに指せるかどうかに一喜一憂するようになり、対局がまるでAIの思考をトレースする作業のように思えてしまい、少しずつ将棋を観る機会も減りつつあるこの頃です。
対岸の火事、赤の他人に思えたAIが、もう自分の生活を変えつつある場所にいるもんだから、そりゃ僕の仕事だってAIの方がうまくやれてしまう日もすぐそこでしょう。それでも生きていくしかないもんで、AIが優れている所はAIに任せて、人は人らしく楽しく下らなくエロく多少のミスも人間だものと笑い飛ばして生きていこうと思います。AIが嫉妬するようなだらしなさで、人の生き様は人にしかつくれないものだから。