雪がちらちら舞う夕方、道の駅野沢温泉へ。お目当ては新発売の豆乳ソフトクリームでしたが、極寒のあまりに注文する手が伸びずに断念。代わりに道の駅で作られている美味しいパンを頂きました。
そこでこんなポスターを目にしました。
野沢温泉スキー場からNOZAWA ONSEN MOUNTAIN RESORTへのリブランディングを宣言するポスター。
家族や仲間、どんなレベルのスキーヤーも思い切り楽しめる広大なスキー場と情緒溢れる温泉街が魅力だった奥信濃の観光地からパウダースノーを求めてやってくる訪日客のためのスキーリゾート地へ生まれ変わる、そんな時代の変わり目をまざまざと感じさせる広告。地元民として期待と寂しさが交錯します。そんな地元への理解を促していくためのクリエイティブにも思えます。
ブナの森のスキー場で会いましょう。
The Beech Forest ski resort is calling you!
野沢温泉が築き上げてきた歴史や文化が透けて見える奥行きのあるコピーが染みます。雪質がいいとか、ゲレンデが広いとか、目先の売り文句を言わずして、その壮大なスキー場や豊かな自然を表現しています。広告は時代を映す鏡、あと数年したらキャッチコピーも英語になって、日本語訳が小さく添えられることになるかもしれません。
そういえば昨年スキーにいったとき、レンタルスキーの店員さんにアジア人観光客と間違われ「僕、日本人です」と答えた時は戦慄が走りました。もう、このスキー場では日本人はニッチな存在なのか…。まるでバブル期に日本人が大挙して訪れたハワイのよう。オーバーツーリズムが問題視されておりますが、正月に芸能リポーターが空港に押し寄せていた国がとやかく言えないような気もします。
地元民、外資系企業、そして投資家、それぞれが目指す幸せのカタチは違いますが、情緒とリゾートが、地元民と投資家が共存共栄するための道筋を模索してほしいものです。もちろんブナの森で膝つき合わせて。