歌集「洞田」洞田明子とは?

 

染野太朗さんと吉岡太朗さんによるユニット「太朗」が駅をテーマに集めた短歌をひとつの歌集としてまとめあげたもの。歌人も作風も趣味趣向もてんでばらばらの短歌たちがその緻密な設計と配置によって洞田明子さんを生み出し、歌集「洞田」を作り出しています。まさに短歌界のVR。

 

あまりのVRぶりに郵送で頂いた時は何かの間違いか新手のDMと思えたほどでした。

 

この歌集に洞田明子の一部となりて短歌の素人ながら2首参加させて頂いております。駅をテーマにした短歌ということですぐに思い描いたのは高校卒業後18歳ではじめて故郷を離れ埼玉県で独り暮らしをした時のことでした。

 

上京したの?と聞かれ、いちいち埼玉です。と訂正するのが煩わしかった頃の思い出です。

 

見渡す限りの知らない街、知らない人、そんな自分にとって駅は故郷や友人と繋がっていられる場所のようで妙に安心した気がします。東武東上線のあの駅のベンチに座ってぼーっと考え事をしていたときのこと、

 

大人でもない子供でもないわたくしに買える切符はありますか (洞田明子)

 

子供界にも大人界にも属していない半端な頃、無重力状態の自分がどこに向かっているのかわからず常時不安でおりました。

 

内側で突っ立っている白線の 向こうに落ちた「人間失格」 (洞田明子)

 

田舎から出てきた自分が駅でまず驚いたのが、自動改札という優れもの。そして、人身事故で電車が止まるということ。行き先はそれぞれということを思い知らされました。

 

20年前の気持ちを20年後に短歌にする機会を与えて頂いた染野太朗さんと吉岡太朗さん、ありがとうございました。

 

 

 

 


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