プリンセス駅伝2018【順位予想篇】

朝ラン後の肌寒さが日に日に身に染みる10月、いよいよ今年も駅伝シーズンの幕開けです。

 

が、そんな矢先にDeNAがマラソン・トラック種目の強化を理由に駅伝競技からの撤退を表明したのです。出ました瀬古イズム。駅伝ファンとしては残念ですが、マラソンファンとしては頷くしかありません。

 

ただ、マラソン低迷の原因を駅伝に押し付けてしまう風潮は安易オブ安易。(最近は男女ともに低迷期を脱した感はありますが)

 

東京オリンピックマラソン代表への挑戦権(MGC)を獲得しているランナーに目を向けると男子18名中16名、女子8名中6名が駅伝も走る実業団チームの選手です(2018年10月現在)。しかも、佐藤悠基さん、村澤明伸さん、設楽悠太さんをはじめとした箱根駅伝の歴史にその足跡を残すスターも名を連ねているわけです。

 

そう!駅伝を見れば未来のマラソン代表がわかる!

 

と、言いたくもなりますが、実際は駅伝の強さとマラソンの強さは別物で、あらゆる距離でトップを獲った福士加代子さんが異常なだけ(いい意味で)。

 

それでも最近は東京オリンピック効果なのか以前に比べて実業団ランナーがマラソンに挑戦しやすい環境が整いつつあるような気がします。第一生命の監督山下佐知子さんが女子マラソンオリンピック強化コーチを務められていますし、マラソンと駅伝を分けてマネジメントできる理解ある実業団チームが増えているのではないでしょうか。そう考えるとマラソン専門を旗印に掲げたDeNaの瀬古イズムは見方を変えればアスリートファーストとも言えるわけです。

 

さて、おしゃべりが過ぎましたが今回のテーマは10月21日に4回目を迎えるプリンセス駅伝です。プリンセス駅伝とは駅伝女王を決めるクイーンズ駅伝への出場権をかけた予選会。決戦の地、仙台行きへの14枚の切符を懸けて熾烈な争いを繰り広げる駅伝好きの日本人には見逃せないレースなのです。

 

10月10日、各チーム10名のエントリー選手が発表されました。日立とユニバーサルエンターテインメントの名前がないのは寂しい限りです。

本戦で上位を狙える力のある強豪チームから、創部まもないフレッシュなチームまで26本の襷が福岡県宗像市を駆け抜けます。当日はTBS系列で生中継されますので、テレビの前で熱量3倍の応援をするべく今年も1〜14位までの予選通過チームと区間オーダーを予想してみます。この日にこの一年のすべてを捧げるチームの下剋上を期待しながら、もちろん今回も10%のデータと90%の勘を頼りに。

 

それでは、予想スタートです。

 

1位 京セラ
│予想区間オーダー
足立由真─藤田理恵─山ノ内みなみ─藤本彩夏─松田杏奈─堀口あずき
佐藤監督夫妻の話題ばかりが先行してきましたが、いよいよ今年は選手が主役になります。アジア大会5,000mの代表に選ばれた好調山ノ内みなみさんを軸にロードで走れるランナーを揃える京セラがプリンセス駅伝初優勝へ。5~6区の松田さん堀口さんの所でそれまで首位を走る九電工を逆転して優勝する劇的な流れを予想します。

 

2位 九電工
│予想区間オーダー
陣内綾子─林田美咲─加藤岬─ワイディラ─芦麻生─逸木和香菜
先日の全日本実業団選手権では陣内さんが1,500mで2位、エース加藤さんが5,000mと10,000mで好走し、さらに林田さんが3,000mで自己新と盤石な様相。特に逸木さんと林田さんが戦力として計算できるのが大きい。優勝争いは駅伝に強い5区の芦さんの状態次第か。総合力は抜きに出ている九電工だけに狙うはクイーンズエイト、120%は本戦で見たい。

 

3位 積水化学
│予想区間オーダー
森智香子─佐藤早也加─松崎璃子─中川文華─湯澤ほのか─中舎朱音
昨年までの主力の二人、尾西さん桑原さんが引退された穴を誰が埋めるのか注目。4区は中川さん、5区は僅差で湯澤さんを予想。昨年の1区区間賞キャプテン森智香子さんが走れる状態かどうか。今年はチームブログに一度も登場していないのが不穏。前半で優位に立つのが積水化学のパターン、森さんが万全でなければ入賞も微妙になるかも。

 

4位 肥後銀行
│予想区間オーダー
猪原千佳─新井沙紀枝─野田沙織─斎藤真希─池田絵里香─坂元えり
三井住友海上から移籍の野田沙織さんの加入は大きい、大きすぎる。3区を区間上位で走れば肥後銀行躍進のチャンス。今季もトラックを走れている選手が多く調整は万全と期待。昨年1区の新井さんを2区にして大阪学院リレーが炸裂。1区をキャプテン猪原さんでスタートからいい流れに乗りたい。(キャプテンは1区か6区にしたくなりがち)4区で外国人ランナーに後れを取れど5区の池田さんが取り返すのが見える。

 

5位 デンソー
│予想区間オーダー
倉岡奈々─池内彩乃─荘司麻衣─ゼイトナフーサン─水口侑子─小泉直子
顔ぶれがガラリと変わった新生デンソー。契約メーカーもadidasからNikeに変わり見た目も一新。スピード系の選手が多く3区と5区の配置が難しい…。適正距離ではないかもしれませんがキャプテン荘司さんをエース区間に、5区は今年も水口さん?それとも和田さんがエントリーするか。倉岡さんは1区を予想。結果重視か将来を見据えるかでオーダーはガラリと変わってきそう。

 

6位 ワコール
│予想区間オーダー
長谷川詩乃─谷口真菜─一山麻緒─清水麗奈─福士加代子─坪倉琴美
1区専任だった若きエース一山さんをそろそろ3区で見たい。ただ今年はやや疲れ気味か。最近は鳴りを潜めている大エース福士さんは5区へ。先日の5,000mを16分3秒で行けるのはさすが、終わってみれば区間6位くらいで走りそう。残りの区間をルーキーから誰が選ばれるのかが見どころ。1区は今年後半PBを連発している上り調子の長谷川さん、アンカーはこちらも成長著しい佛教大卒坪倉さんか。

 

7位 ホクレン
│予想区間オーダー
池亀彩花─加藤凪紗─菊地優子─寺島優奈─宮内宏子─河辺友依
清水美穂さんがいないのは痛いがそれでも予選突破する力は充分。1区の池亀さんの安定した走りはホクレンにとって大きなストロングポイント。菊地さんもロードに強く崩れることはない。新戦力寺島さんも他チームで駅伝の力を証明済み。宮内さんもまだまだ元気ですし大きな穴もなく入賞圏内で勝負できるのでは。

 

8位 三井住友海上
│予想区間オーダー
田邉美咲─古寺冴佳─岡本春美─関口はるか─野添佑莉─橋本奈海
トラック競技への出場が少なく且つチームの顔ぶれが一新されたので未知数。ただ1,3,5区の主要区間は計算できる人材が揃うので大崩れはなさそう。岡本さんのロードへの適性はどうか。デンソー時代に優勝のゴールテープを切った橋本さんをアンカーに。元チームメイト小泉さんの背中が見えるか。経験と持ちタイムで言えば片貝さんを使いたいところだけど、どうでしょう。

 

9位 大塚製薬
│予想区間オーダー
横江里沙─藪田裕衣─伊藤舞─秋山あみる─福良郁美─川内理江
中長距離を得意とする選手が多くオーダーを組むのが難しい。こちらも今季移籍の横江さんの状態が上向いているのが好材料。本来であれば3区を任せたいところだが今年は1区で勝負。全日本実業団3,000mSC優勝のルーキー薮田さんの勢いもあり序盤から10位以内をキープ。5区に福良さんを抜擢。井上彩花さんはMGC獲得を目指してマラソン専念を予想。

 

10位 エディオン
│予想区間オーダー
安井絵理奈─江口美咲─石澤ゆかり─横瀬彩也香─西田美咲─渡邉裕子
昨年はゴール前のアクシデントでクイーンズ駅伝を逃したエディオンだけに今年は注目されるはず。3,000mSCチャンピオン石澤さんの疲労が心配だが、それをカバーできる好調なメンバーを配置。4区に移籍してきた横瀬さんを、その横瀬さんと再会を果たした2区江口さんの好走を期待せずにはいられません。今年しっかり走れている菅野杏華さんも選びたいけど監督の決断はどうか。

 

11位 岩谷産業
│予想区間オーダー
大同美空─鈴木純菜─今田麻里絵─飯田怜─髙野智声─青木奈波
創部二年目、駅伝初出場の岩谷産業ですが、学生時代や他チームで経験を積んでいる選手も多く予選突破を予想。特にキャプテンの今田さんの好調ぶりが頼もしい。伸び盛りの大同さん、鈴木さんとともに前半でいい位置に行くのでは。勝負を決める5区の高野さんには予選突破を決める走りを期待したい。青木さんの歓喜のゴールシーンにも注目。

 

12位 シスメックス
│予想区間オーダー
高山琴海─坂本茉矢─金平裕希─田邊摩希子─永岡真衣─西田留衣

突出した大砲がいない分、チーム力で勝負できるシスメックス。ハーフからマラソンを走れる選手も多くロードを苦にしない脚力で予選突破を目指す。状態が悪くなければ昨年好レースを演じたオーダーからほぼ変更なしの予想。長距離区間を走れる人材が多く悩ましいけど、3区は今年も地元福岡県出身の金平さんを抜擢。

 

13位 TOTO
│予想区間オーダー
前之原瑠衣─黒田純菜─中原海鈴─シュルブロ─一紋野女─本田純麗

4区シュルブロさんは区間賞候補。ここだけで1〜2分を奪えるのがTOTO最大の強み。2年目でキャプテンに就任した中原さんはエース区間を走れるか。今季トラックではあまり好調とは言えずオーダーを組むのが難しい。ただ2年前のプリンセス駅伝優勝チーム、地元福岡県開催はかなりの追い風。このアドバンテージが駅伝に活きない訳がない。

 

14位 ノーリツ
│予想区間オーダー
中野円花─松山芽生─川上わかば─小﨑まり─堀江美里─津崎紀久代

今年は1枚足りない印象。3区にTOTOから移籍した川上わかばさんがすっぽり収まれば上位を目指せるが現在の状態がわからなすぎてこの位置。他の5名はロードの実績も充分でプリンセス駅伝で負けるレベルではない。その底力で予選突破を予想。入社23年目でまだまだ現役小﨑まりさんはとにかくすごい!とそろそろTBSも気づいて欲しい。

 

 

以上、クイーンズ駅伝への切符を掴むであろう14チームの順位予想でした。今年のプリンセス駅伝もかなりの激戦が予想され、この14チームを決めるのに11日間かかるほど本当に悩みました。あくまで個人の妄想と願望が入り交じるものでございます、選外になったチームと選手のみなさまには大変申し訳ない気持ちでおります。ちなみに15位はしまむらです。

 

あとはレース当日の調子次第、ピークが合わせられたチームが勝ちます。そう言ってしまえば予想する意味などないのですが、この答え合わせは10月21日(日)11時50分からTBS系列で。

 

 

投稿者 片塩 宏朗

お読み頂きありがとうございました。主にコピーライターをしています。好きなランニングと短歌について時々書きます。フルマラソン:3時間15分28秒、ハーフマラソン:1時間27分59秒、好きなシューズはasicsです。