2018年の顔ぶれが固まりつつある実業団女子長距離チーム。今年は大卒の大砲が例年より少ない為かあまり大きな戦力差は生じていない印象です。高卒ルーキーのスピードに注目が集まるのか、それとも東京オリンピックに向けて各チームのエースが意地を見せるのか。この冬はマラソン代表の座が懸かるMGC出場へのラストチャンスとなりますので、有力マラソンランナーを要するチームのクイーンズ駅伝への影響は必至。裏を返せば駅伝を中心としたチーム編成を組んでいるチームは躍進のチャンスです。

 

トラックシーズンの始まりを告げた今、駅伝女王を決める『クイーンズ駅伝』に向けて予想と希望を交えながらレースの展望を考えて参ります。第一回目は2017年のクイーンズ駅伝上位8チーム、クイーンズエイトに注目、別れと出会いの季節を経てどんなチームに生まれ変わっているのか、いないのか?その戦力状況についてWEB情報のみを頼りに分析してみます。

 

クイーンズ駅伝2017クイーンズエイト

※2018年7月19日、ユニバーサルエンターテインメントはドーピング規定違反により失格となりました。順位がひとつずつ繰り上がり2017年のクイーンズ駅伝はパナソニックの初優勝が決定しました。

失格 ユニバーサルエンターテインメント(2時間16分45秒)
┃2017年オーダー

木村友香─秋山桃子─鷲見梓沙─伊澤菜々花─中村萌乃─猿見田裕香

 

┃2018年新加入

大西響(世羅高等学校)

昨年優勝の立役者のひとり、5区区間2位の中村萌乃さんが退部された穴は大きいですが、それを埋めるだけの戦力は充実。故障明けから和久夢来さんの復活が待たれるところ。トラックはもちろんロードもクロカンもOK、すべての状況下で抜群の安定感を誇る木村友香さんの存在がこのチームの強み、今年も1区でチームに勢いを与えられるか。新戦力大西さんの力は高校駅伝で証明済み、繋ぎ区間でエントリーされる可能性大。選手が元気なら今年も強いユニバーサルエンターテインメントの不安材料は故障の多さか、それともエース鷲見さんのマラソン転向か?

 

2位 パナソニック(2時間17分7秒)
┃2017年オーダー

森田香織─渡邊菜々美─堀優花─戸部千晶─森田詩織─内藤早紀子

 

┃2018年新加入

金丸清香(鹿児島女子高等学校)
森磨皓(有明高校)

昨年のオーダーからは退部者なし。覚醒した感が半端ない森田詩織さんが引き続き好調。チーム全体を見渡してもマイナスポイントが見当たらない分、今年も上位争いに絡む可能性は大きい。しかしながら昨年大活躍の影響かエース堀さんの調子が少々落ち気味なのが気になる。プリンセス駅伝、クイーンズ駅伝ともに成功した1〜3区の猛烈なスタートダッシュが今年も見られるか。渡邉さんは2区以外でも使いたくなる成長ぶりが悩ましい。新加入の2選手を含めた4区争いに注目。

 

3位 ダイハツ2時間17分52秒)
┃2017年オーダー

吉本ひかり─木崎良子─松田瑞生─大森菜月─前田彩里─竹本香奈子

 

┃2018年新加入

細田あい(日本体育大学)
竹山楓菜(関西外国語大学)

昨年のオーダーからは退部者なし。いつも通りに前田・松田の2大エースが走れば上位は固い。ただし、MGC出場権獲得に専念するため前田さんが駅伝を回避する可能性も無くはない。どちらにせよ本調子でないまま本番を迎えるので区間賞の走りを期待するのは酷。昨年3位の原動力となった新キャプテン吉本ひかりさんがいよいよ完全復活の気配、1区はもちろん、元気なら5区でも勝負できるほど距離が伸びている。少しずつ状態が上向いている大森菜月さんが立命館大時代の走りを取り戻せるかにも注目したい。ロードに強いイメージがある長野東OG細田さんの駅伝デビューもありそう。個人的には今年も木崎さんの元気な姿が見たい。

 

4位 JP日本郵政グループ(2時間17分54秒)
┃2017年オーダー

鈴木亜由子─宇都宮恵理─鍋島莉奈─柴田千歳─関根花観─寺内希

 

┃2018年新加入

太田琴菜(立命館大学)
樽本知夏(須磨学園高等学校)
林英麻(高崎健康福祉大学高崎高等学校)

昨年のオーダーからは退部者なし。大エース鈴木亜由子さんがこの冬マラソンを走る為、クイーンズ駅伝は繋ぎ区間での出走もあり。もしかしたら回避も。力のある大学生と高校生2名が新加入しリクルーティングに成功した印象。大田琴菜さんの状態が11月までに戻れば3区抜擢で1区鍋島さんのオーダーも面白い、が、さすがに無理か。MGC獲得済みの関根花観さんのモチベーションが11月時点でどこにあるかも気がかり。鍋島さんは今がピークか?と思わせるくらい追い込みすぎな印象がありやや心配。昨年4区区間5位の柴田さんが今年もこの一発に懸けれるか、それともルーキー樽本知夏さんの伸びやかなスピードが勝るか、日本を代表するランナー3名を要するチームだけに繋ぎ区間の走りが重要。

 

5位 第一生命グループ(2時間17分57秒)
┃2017年オーダー

嵯峨山佳菜未─原田紋里─上原美幸─飯野摩耶─佐々木文華─湯田向日葵

 

┃2018年新加入

出水田眞紀(立教大学)

昨年のオーダーからは退部者なし。日本郵政と同様こちらもエース上原美幸さんが初マラソンを走る予定の為、クイーンズ駅伝への影響が心配。大学駅伝の強豪校を避けた立教大卒のルーキー出水田さんの今後が楽しみ、3区を走れる人材になれるかどうか。W田中さんがMGC出場を目指し今年もマラソンに専念する場合は大きなオーダー変更はなさそう。個性と地力のあるメンバーが揃う第一生命は臨機応変にバリエーション豊かなオーダーを組めるのが強み。あとは11月までにどこまで上積みできるか。嵯峨山さんと湯田さんの勝負強い走りに期待。個人的には長野東OG佐々木文華さんを応援&「まっさきにまっすぐに」を体現するキャプテン飯野さんの走りが見たい。

 

6位 天満屋(2時間18分54秒)
┃2017年オーダー

谷本観月─西脇舞─小原怜─松下菜摘─前田穂南─重友梨佐

 

┃2018年新加入

坪井皓香(山口県立豊浦高校)
三宅紗蘭(玉野光南高校)
青木未晴(興譲館高校)

チームの大黒柱、重友さんが引退。新戦力の3名が高校生なので重要区間を任せるには少々早い、将来を見据えたチーム作りに突入か。今年あたりは元名城大のエース髙木綾女さんの復活が望まれるところ。新大黒柱の小原さんがマラソンとの兼ね合いでどこまで駅伝に力を注げるかにもよりますが、今年のクイーンズエイト入りには少し足りない印象。しばらくはマラソンの天満屋となるか。MGC出場権獲得済みの前田穂南さんを天満屋としてどうオリンピックへ送り込むのか、前田さん個人の今後のレースプランに注目したい。

 

7位 ヤマダ電機(2時間19分13秒)
┃2017年オーダー

石橋麻衣─渋谷璃沙─西原加純─石井寿美─筒井咲帆─竹地志帆

 

┃2018年新加入

清水真帆(大阪学院大学)
宮城亜支亜(大分東明高校)

残念ながらヤマダ電機のスピードランナー渋谷璃沙さんが2区区間3位を最後に引退。そのスピードを引き継ぐのは成長著しい三年目、市川珠李さんか。西原、竹地、石井、筒井の4本柱は故障が無ければ当確。この4人のピークが合えば今年も上位で勝負できる、逆に一人でも欠けるようなことがあればクイーンズエイト入りは微妙な状況に。並行してマラソンを走る竹地さんの走りすぎが心配。森唯我さんが引退されてからは1区で波に乗り切れないヤマダ電機、今年は筒井さんを1区で見たい。新戦力清水さんのエントリーも充分に考えられる。

 

8位 資生堂(2時間19分44秒)
┃2017年オーダー

竹中理沙─吉川侑美─高島由香─須永千尋─奥野有紀子─真柄 碧

 

┃2018年新加入

今村 咲織(順天堂大学)
高見澤 安珠(松山大学)
岡本 海愛(諫早高校)
前田 海音(鹿児島女子高校)

ここ二年は1〜4区で優勝争いに絡み、その予熱で8位入りする資生堂の戦術だが、1区で抜群の勝負強さを発揮していたエース竹中さんが引退されたのが痛い。さらに資生堂の稼ぎ頭、3区のスペシャリスト高島さんが先日初マラソンを2時間26分13秒で済ませ、この冬はMGC獲得に狙いを定めるので駅伝への影響が心配。2区吉川さん、4区須永さんの計算できる存在が心強い、二人の大学生ルーキーが主要区間を走れるかどうかがポイント。順大卒の今村さんが竹中2世になるのを期待したい。しかしながらクイーンズエイト入りはやはり高島さんの動向次第。

 

以上、昨年のクイーンズ駅伝上位8チーム(クイーンズエイト)の戦力分析でした。

上位チームには日本代表の座を狙うエースが勢揃いしていますのでオリンピックを見据えながらどのようなスタンスで駅伝に取り組むのか、チームのマネジメント力が試されます。現時点での優勝予想は少し希望も込めて、タフなランナーを複数要するダイハツ、パナソニック、第一生命、日本郵政あたりを挙げたいです。

 

最後に昨年のクイーンズエイトの順位変動を見てみます。

(引用:http://www.tbs.co.jp/ekiden/

クイーンズエイト入りを果たすには、1〜2区で一桁順位につけて3区エース区間を上位で迎えることが最低条件と言えます。優勝争いに絡むには4区インターナショナル区間での遅れを最低限に抑えること、ロードに強いスピードランナーの存在なくして優勝はありえません。見る側としては6区アンカー勝負までもつれる展開を期待してしまいますが、戦力が拮抗している上位チーム同士では大きな順位変動が起こりにくいと思われます。エース区間の3区と5区だけに力を注いでも勝てないことは最近のクイーンズ駅伝を見ても明らか、今年もチームの総合力・駅伝力が問われるレース展開となりそうです。

 

次回は豊田自動織機をはじめとしたクイーンズエイト入りを逃した有力チームの戦力状況を見ながらクイーンズ駅伝2018の展望を考えていきます。

 

クイーンズ駅伝2018順位予想はこちら。

 

クイーンズ駅伝2018展望Vol.2〜有力チーム篇〜はこちら。

 

 


3 Responses

  • 五輪のマラソンを狙う選手がエース区間を回避する可能性がありややこしいです。予想しにくいです。短い区間を走るのではないですか。ダイハツの前田さん資生堂の高島さんなどなど。選手層の分厚いjpが有利だと思います。

  • 本当に今年はマラソンとの兼ね合いでかなり難しいですね〜。エース区間で新たなスターが生まれるかもです。2週間を切ってしまいましたのでそろそろ予想を始めないと。。。JPは崩れることはないでしょうね、きっと。

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