どこよりも遅いクイーンズ駅伝2018振り返りです。昨年の優勝タイム2時間17分7秒が今年なら9位相当のスピードレース。序盤で上位チームの明暗がクッキリ分かれたおかげでパナソニックが早々に独走し、注目のクイーンズエイト争いも5区で決着、最終6区でほとんど順位変動が起こらない実況泣かせの展開になりました。

 

一度も一位を譲ることなく完全優勝で会社創立100周年を連覇で華を添えたパナソニック。2018年のクイーンズ駅伝はまさにパナソニックの大会。MVPには5区区間新で区間賞を獲得したパナソニックの堀優花さんが選ばれましたが、個人的MVPはパナソニックのキャプテン内藤早紀子さん。二区で繰り広げられたデンソー倉岡さんとのマッチレースは今大会のハイライトとも言える名シーン。追いつかれた倉岡さんにジリジリ離されてもおかしくない展開のなか、粘りに粘り抜いてラストは逆に2秒を奪う気迫の走り、あの首位を渡さないキャプテンの強烈な意地が今年にかけるパナソニックのすべてを象徴していたようで完全優勝にも納得です。走力も気力も他を圧倒しました。

 

そのパナソニックを事前予想で3位とした節穴の目から見たクイーンズ駅伝2018の答え合わせ大発表です。果たして予想は的中したのでしょうか?

 

1位 JP日本郵政グループ → 7位

│予想区間オーダー
鍋島莉奈─宇都宮恵理─鈴木亜由子─太田琴菜─関根花観─寺内希

ホームページに「クイーンズ駅伝への挑戦」を開設したJP日本郵政。日本代表3名を擁するなど個々の力が注目されますがチーム力の高さもトップクラス。当然ながら優勝候補の筆頭に。北海道マラソン優勝から三ヶ月、エース鈴木さんがMGC獲得済みなのは追い風、その姿をエース区間で見たい。半端ないコンディション維持力でどんなレースでも外さない鍋島さんの存在は全チームの脅威、今回は1区区間賞候補。距離と走力をジリジリ伸ばしている宇都宮さん、高い駅伝力でお馴染みの寺内さんなど伏兵にも実力者が揃う。2区は宇都宮さんと樽本さんの争いか。そして昨年4区で素晴らしい走りを見せた柴田千歳さんには今年もひと花咲かせて欲しいが、厳しいか。レギュラークラスでもメンバーから漏れてしまう層のぶ厚さを誇るJP日本郵政。不安材料を挙げるとするれば三本柱の一角、関根さんのコンディション、そしてトラックシーズンに姿を見せなかった寺内さんの状態も気になる。しかし、そんな不安を吹き飛ばすかのように太田琴菜さんが走れそう。4〜6区はコンディションを重視した流動的なオーダーで、ラストはライバルチームを突き放す。

│区間オーダー
宇都宮恵理─樽本知夏─鈴木亜由子─寺内希─鍋島莉奈─関根花観

宇都宮さんの1区は予想外。終盤にアップダウンのある1区向きではないような…、スタート前の表情もとりわけ硬かった。今年は3区にエースが待ち構えるだけに1〜2区での多少の遅れは想定内のオーダー、ただ2区を終えての16位はさすがに厳しい。関根さんが6区、寺内さんが4区を走るなど、期待される役割を果たせず。レース後の監督のコメントにもあるように今年は故障者が多く優勝を狙えるチーム力までは回復しきれなかった印象。それでも3区区間2位鈴木さんの気合いの乗った走りと5区区間賞鍋島さんのクレバーな走りでクイーンズエイトを守り抜いたのはさすがJP日本郵政、あの豪快な押し上げは並のチームには真似できない。繋ぎ区間であれば走れると踏んでいた太田琴菜さんが控えに回ったのも誤算、来年はベストメンバーでの駅伝が見たい。

 

2位 第一生命グループ → 12位

│予想区間オーダー
嵯峨山佳菜未─原田紋里─田中智美─飯野摩耶─佐々木文華─出水田眞紀

実力者が揃う第一生命は多彩なオプションを持つ最もオーダー発表が楽しみなチームのひとつ。そのオーダーを更に難しくするのはエース上原さんとマラソンリオ代表田中智美さんの両マラソンランナー。飛車角の二人がMGCを懸けて大阪国際に照準を合わせるのであれば駅伝回避もなくはなく。田中智美さんに関してはもう一度マラソンを走るのかどうかも不透明。動かないのは昨年区間2位と快走した飯野さんの4区のみ。故障明けとは言え気持ちで押せる湯田向日葵さんは駅伝に欠かせない戦力、昨年1区〜2区で素晴らしい走りを見せた嵯峨山さん原田さんのコンビは代え難い存在、ルーキー出水田さんはトラック、ロードあらゆる距離をこなせるオールランダー。しかし問題は3区と5区。東京オリンピックを走る上原さんの姿から逆算すれば今年の駅伝は回避と予想。逆に田中さんはこの駅伝に合わせて絶好調と妄想、久々の3区へ起用。ルーキーに主要区間を走らせない傾向がある山下監督の采配からして5区は昨年同様佐々木さん、そしてアンカーには出水田さん。まっさきにまっすぐに、2018年版第一生命のオーダーはこれでどうでしょう?山下監督は前年とオーダー変えがちだから全然違うかな。

│区間オーダー
嵯峨山佳菜未─原田紋里─上原美幸─飯野摩耶─田中智美─佐々木文華

オーダー予想に最も時間をかけた第一生命。上原さんが走らないという大胆予想もきっちりハズレ普通に3区にエントリー。その上原さんがエース区間でまさかの区間最下位、これはもうアクシデントレベル。3区終わりで首位から3分半遅れるシード常連の第一生命にとっては大波乱のレースに。キャプテン飯野さんが常に高いレベルで勝負できているだけにそれを活かせない展開はやるせない。二年ぶり5区に帰ってきた田中智美さんはまずまずの走り、6区の佐々木さんも区間6位と好走しているだけに上位で勝負できればもう少し上を伺えたはず。昨年の快走に比べ1区嵯峨山さんが少し離されたが2区の原田さんがしっかり追えているのでそこまで悪くない印象。来年はプリンセス駅伝を勝ちきって是非全日本での復活を果たして欲しい。

 

3位 パナソニック → 優勝

│予想区間オーダー
渡邊菜々美─森田詩織─堀優花─戸部千晶─森田香織─内藤早紀子

ディフェンディングチャンピオンのパナソニック。勝者は動かずがセオリーであれば昨年と同オーダーにしたいところ。昨年区間賞でチームを優勝に導いたエースの堀さんは不動の3区、ルーキーながら2区区間賞の渡邉さんは既にエース級の風格、繋ぎ区間に起用するには惜しい存在に成長した今年は1区抜擢を予想。昨年5区を区間4位と好走した森田詩織さんの状態が心配、今回は繋ぎ区間にまわる可能性が大きいと見る。その穴を埋めるのはもちろん双子のお姉さん森田香織さん、今年は世界ハーフ代表に選ばれるなど充実の一年、後半の勝負どころに起用しパナソニックの2連覇を託す。トラック中心に取り組むチームは今年に限ってはアドバンテージのはず、ただし優勝した昨年を100とすれば今年は90くらい、連覇には一歩届かずフィニュッシュと予想。

│区間オーダー
森田香織─内藤早紀子─渡邊菜々美─金丸清香─堀優花─森磨皓

森田詩織さんが仕上がらず今年は昨年の90と見ていたチーム力が蓋を開ければ昨年よりUPしているという驚きの強さ。猛者がひしめく1区で2年連続区間賞の森田香織さん、完全にレースを支配した走りは自信の表れ。堀さんを5区に配置した采配は見事。その堀さんが4区と6区のルーキーの負担を帳消しにする区間新で優勝を決定づける爆走。そして二年目でエース区間を任された渡邉さんが今年も区間賞、しかも鈴木亜由子さんら数多の強豪を抑えての区間賞の価値たるや。マラソン適正も感じさせる末恐ろしいランナーです。それでも個人的MVPは内藤さん、記録だけではない駅伝の醍醐味を体現してくれました。急遽エントリー変更になった戸部さんには三連覇がかかる来年に期待したい。

 

4位 豊田自動織機 → 6位

│予想区間オーダー
山本菜緒─前田梨乃─萩原歩美─ヘレンエカラレ─沼田未知─林田みさき

エース福田有以さんが元気であれば優勝候補の筆頭に名を挙げたい今年の豊田自動織機。その福田さんが5月以降パッタリとレースから名前が消えたのが不穏中の不穏。夏に距離を踏めず今年は出走しない可能性も。しかしながら山本さん、萩原さんといった力のあるメンバーが復調してきたのは頼もしい限り。その山本さんのスピードを1区で、萩原さんには福田さんの代わりにエース区間の3区を任せるしかない。2区は走力も調子も上向きの前田さん。アンカリンジさんの定位置だった4区は新人のエカラレさんへ、仙台育英卒で言わば地元凱旋、区間賞候補。5区は例年ならば沼田さんで決まりでしょうが、マラソンも視野にある中で迷うところ。そして6区は今年もキャプテンの林田さんに、10,000mでPBを出すなど今年は昨年区間4位以上の走りが見れるかも。ただ沼田さんが出場しない場合は5区林田さん6区菅野さんのオーダーも考えられる。どの選択肢を選んでもクイーンズエイト入りは間違いなし。

│区間オーダー
萩原歩美─山本菜緒─林田みさき─ヘレンエカラレ─沼田未知─前田梨乃

萩原さんの1区はサプライズ、復活の駅伝でトップから14秒差でのタスキリレーは見事な働き。山本さんは今年の好調ぶりの象徴するようにスピードの2区で区間賞、同じく好調の前田さんもアンカー区間で二人を抜く区間3位の好走。地元凱旋エカラレさんは一人10分台の驚異の区間新で区間賞。本来5区向きと思われるキャプテン林田さんも今年は3区で区間8位とまずまずの走り。強い割には今ひとつ目立たかなかった豊田自動織機で最もカメラに映っていたのは5区の沼田さん、皮肉なもの。エースの福田有以さんが戻れば来年は一気に優勝候補か?

 

5位 ヤマダ電機 → 4位

│予想区間オーダー
清水真帆─市川珠李─筒井咲帆─石井寿美─竹地志帆─西原加純

昨年1区石橋さん、2区渋谷さんの代わりとなる新戦力は?今年の西原さんの調子は?ヤマダ電機の気になる点はこの二つ。直前の記録会や東日本女子駅伝の1区でも好走したルーキー清水さんを1区に、2区は今年3,000と5,000でPBを出した市川さんの駅伝デビューを予想。そして大黒柱の西原さん。最近の記録会ではDNSが続き心配、エース区間を走れる状態にあるのかどうか。4区は実績の石井寿美さんか移籍してから絶好調の鈴木翔子さんかで迷うところ。昨年6区区間賞の竹地さんを今年は5区に起用、東日本女子駅伝でも10k区間を走るなど走り過ぎは懸念されるが、それを含めてもっと評価されてもいいランナー。そして今年のエース区間は筒井さん、上向いてきた今の調子ならば他チームのエースと張り合えるはず。よって今年の西原さんはアンカーでクイーンズエイトを死守する役割に、エース区間を外れた西原さんはきっと強い。例年主力の調子が揃わずに今ひとつ乗り切れない印象のヤマダ電機ですが、今年は主要区間に『三本の帆』を擁するヨーソローなオーダー、いい風が吹けばワンチャンスあり。

│区間オーダー
清水真帆─安藤実来─筒井咲帆─竹地志帆─石井寿美─市川珠李

渋谷さん石橋さんが引退され、エース西原さんがメンバーから外れ竹地さんが4区を走る、23歳の同級生トリオに主要区間を託した新生ヤマダ電機を予感させるオーダーでの4位は素晴らしい。特に3区の筒井さんはエースに相応しい走り、5人を抜いてチームをクイーンズエイトへ導いた。全日本デビューの1区清水さんもトップから23秒遅れのタスキリレーは及第点の走り。そして状態を不安視していた石井さんも終わってみれば鬼ピッチ走法の復活で5区区間4位の好走。この23歳トリオを中心に来年は優勝戦線に食い込めるか。そして高卒3年目6区市川さんの区間賞は今大会最大のサプライズ、気持ちの乗った素晴らしい走りは個人的MIP賞。ゴール直後にすべてを出し切り倒れ込む市川さんの元へ駆け寄るチームメイトの姿にヤマダ電機の明るい未来が見えた。この育成力の高さは森川監督の手腕かそれともチームのまとまりか。

 

6位 ダイハツ → 3位

│予想区間オーダー
吉本ひかり─前田彩里─松田瑞生─久馬悠─大森菜月─竹本香奈子

ジワジワと個々の力が戻りつつあるダイハツ、優勝を射程圏内に捉えたダイハツの悩みどころと言えば前田さんのマネジメント。マラソンか駅伝か、それとも両立か?昨年大会MVP5区区間賞の力は優勝には欠かせない大戦力、でもやっぱり故障が怖い、今年は最も負担が少ない2区起用を予想。1区吉本さんは昨年区間4位と完全復活、今年も1区で超期待!MGC獲得済みの松田さんは定位置の3区でご自慢の腹筋を披露、ベルリンマラソンを走り終え本調子ではないとは言えクイーンズエイト入りには松田さんの力が頼みの綱。大森さんは調子上向きと見て初の主要区間を任せたい。そしてアンカーは竹本さんでスベらない展開に、JP日本郵政の寺内さんとのアンカー勝負が今年も見れるか。(昨年は僅差で竹本さんの勝ち)大砲の影に隠れてしまいがちの4区にも注目。今年は久馬悠さんが当確とみる。ベストな布陣ではないが大きく崩れる気配もないダイハツを6位に。

│区間オーダー
吉本ひかり─細田あい─松田瑞生─竹本香奈子─大森菜月─竹山楓菜

前田さん不在でも3位はさすがダイハツ。特に区間5位で繋いだ細田さんの2区が効いた。竹山さんもラストのキレでヤマダ電機を抜き返して3位を死守。ルーキー二人が期待に応える活躍。エース松田さんが本調子でないことは隠された腹筋を見ても明らか、それでも3区で最低限の仕事を果たす。代わりに輝いたのが元立命館のエース大森さん、度重なる故障を乗り越えてようやく力を見せた。フルモデルチェンジしたフォームでふたたび世代トップを走れるか?そして吉本さんの1区はもう安心して見ていられるレベル。ダイハツのクイーンズ駅伝優勝があるとしたら吉本さんが元気なうち。全区間一桁順位の安定した走りで予想を超える3位、ダイハツのチーム力の高さを改めて思い知らされた。

 

7位 京セラ → 13位

│予想区間オーダー
松田杏奈─藤本彩夏─山ノ内みなみ─藤田理恵─堀口あずき─足立由真

プリンセス駅伝2位の勢いでクイーンズエイトの牙城を崩せるか。予選会では故障明けで2区に起用された松田さんの仕上がり具合がクイーンズエイト入りを占う最大のポイント。今回は仕上げてきているという“理想”を選択して1区に起用。そして今やいきなり大黒柱、3区の山ノ内さんには区間賞を狙う走りを期待したい。1区の着順次第では3区終わりでトップに立つ京セラが見える。仮に理想論ではないケースでも5区の堀口さんに9〜10番手で渡せばクイーンズエイト圏内に顔を出せるはず。5区終了時点での7位を守るのはアンカー足立さん。予選会では1区で思うように力を出せなかったがその分を本戦で発揮し初のクイーンズエイト入りを決めて欲しい。3区と5区の2枚看板が健在な状態で望めるチームは少なく今年は京セラにとって捲土重来の大チャンス。

│区間オーダー
盛山鈴奈─足立由真─山ノ内みなみ─松田杏奈─堀口あずき─藤田理恵

今年もクイーンズエイトの牙城は崩せず。エース山ノ内さんの区間19位は大誤算、区間賞も狙えるその力を考えれば3区で失った2分は痛い。まだ駅伝二戦目の山ノ内さんだけに来年に期待。収穫は1区の盛山さんが終盤まで先頭集団で走れたこと、さすが日本インカレ10,000mチャンピオン、この結果を自信として来年のプリンセス駅伝でも主力として名を連ねて欲しい。予選会に続き繋ぎ区間にまわった松田杏奈さん、来年は主要区間で元気な姿が見れるか、京セラの浮上はこの人にかかる。4区終了時点で15位では5区のスペシャリスト堀口さんでも二人を抜くのがやっと。中継カメラにほとんど映ることもなくレースを終えた京セラ。やはり3区で勝負できないとクイーンズ駅伝は難しい。解説の増田さんがことあるごとに提唱する「佐藤夫妻が福島から鹿児島に行っているから強くなる」理論を信じるしかない。

 

8位 ワコール → 5位

│予想区間オーダー
一山麻緒─谷口真菜─福士加代子─清水麗奈─坪倉琴美─長谷川詩乃

プリンセス駅伝2018優勝で波に乗るチーム、予選会の勢いそのままに本戦に殴り込みたいところ。が、しかし、優勝インタビューで永山監督が「本戦ではオーダーを変える」と宣言。当初のプラン通りなのか?ただのリップサービスか?ただ、ワコールの目標をクイーンズエイトに置くのであれば1区での出遅れは致命的。プリンセス駅伝では1区の遅れを2〜6区がカバーして優勝まで挽回したが強者が揃うクイーンズ駅伝での1区1分の遅れは取り返しのつかない数字。そう考えると層の薄いワコールができる最善の策は例年通り一山さんでスタートダッシュを目論むこと、そして走れている福士さんで流れに乗ること。1区の一山さんがシカケまくって集団をちぎれるか?大阪国際を見据える3区福士さんがどこまで力を出しきれるか?プリンセス駅伝で悔し涙を流した長谷川さんには本戦での挽回を期待!さらに予選会を優勝した経験は谷口さん、清水麗奈さん、坪倉さん、そして長谷川さんらルーキーの背中を押してくれるはず。すべてはクイーンズエイト入りのために。

│区間オーダー
一山麻緒─片山弓華─福士加代子─清水麗奈─谷口真菜─長谷川詩乃

ワコールがクイーンズエイトに返り咲き。一山さんが前半を抑えめに集団をコントロールし後半で上位チームに打撃を与えることに成功。エース区間で前田穂南さんや松田瑞生さんと並走する福士さんにまだまだ日本代表レベルの力を見る、今年は3人を抜く快走、元気一杯。他チームのエースクラスに混じり粘りの走りを見せた5区谷口さんも光った。プリンセス駅伝で失速した長谷川さんがその借りを返す区間2位の素晴らしい走りでチームを目標の5位に押し上げる。一山、福士の両エースが力を見せ、ルーキーがその背中を追いかける、主力と若手がガッチリ噛み合ったワコールがレースプラン通りの会心の駅伝。

 

9位 天満屋 → 2位

│予想区間オーダー
西脇舞─三宅紗蘭─前田穂南─松下菜摘─谷本観月─小原怜

9月のベルリンマラソンでMGCの出場権を獲得した小原さん、同じくベルリンマラソンを走った前田さんは既にMGC獲得済み。この二人の区間配置が天満屋の順位を決める。マラソン明けながらもマラソンと駅伝を両立する天満屋の流れからすれば前田さんはエース区間の3区、そして功労者小原さんは6区と予想。ただ二人に本調子を期待するのも酷なこと、今年は二人とも区間10番以内で走れば充分。そうなると確実に計算できるランナーは1区の西脇さん、いい流れを終盤まで持続できるのか?最終盤はワコールとの一騎打ち、クイーンズエイト入りをかけたアンカー勝負は解説の増田さんの喋りにも注目。重友さんが引退されて層の薄さは気になるが高校生ルーキーのスピードにも期待。

│区間オーダー
谷本観月─西脇舞─前田穂南─三宅紗蘭─松下菜摘─小原怜

重友さんが引退されても結局強い、定期的にマラソンも走れる強いエースが誕生する天満屋システムは未だに健在。今やすっかりチームの顔、エース区間に起用された前田穂南さんはベルリンマラソンの疲れも見せずに3区で二人抜き、福士さんと同タイムの区間5位。その前田さんに今年も4位で襷を繋いだ谷本さん西脇さんの1〜2区コンビの安定感はありがたい。ルーキー三宅さんも持ちタイム通りの強さを発揮、インターナショナル区間で区間7位(日本人2位)は速い。そして5区で勝負できるほどに成長を遂げた大卒二年目の松下さんも頼もしい存在。パナソニックには届かなかったものの必死の形相で前を追うアンカーの小原さんも健在ぶりをアピールした。序盤、中盤、終盤、隙がないロードで躍動する選手たち、強い天満屋時代の到来か。これが監督に復帰した武富監督の凄さなのか。

 

10位 積水化学 → 10位

│予想区間オーダー
佐藤早也加─森智香子─松﨑璃子─高野みなみ─中舎朱音─湯澤ほのか

予選会を回避した主力の二人、森さんと中舎さんが復帰するとの超楽観的推測を前提とした積水化学の予想。森さんはギリギリ間に合うも本調子ではなく2区へ、予選会の5区を直前の怪我で回避した中舎さんは軽症とみて5区に配置。今や積水化学の顔となりつつある佐藤さんにとってクイーンズ駅伝は地元凱旋の晴れ舞台、予選会区間賞の切れ味を本戦でもアピールできるか?力強さを増した海外武者修行中の松﨑さんが3区で区間賞争いをしたら面白い展開に。しかしながらクイーンズエイトには僅かに足りない、やはり桑原さんが退部された穴は大きく…。そんなことを言っても仕方ない、今年は積水化学のタイミングではないだけ、クイーンズエイト入りする来年へ向けて糧となる駅伝を期待したい。

│区間オーダー
佐藤早也加─宇田川侑希─松﨑璃子─野村蒼─和田優香里─森智香子

転倒がちょうどCM中で中継に乗らない悲劇、1区佐藤さんはそれにも関わらず区間6位、さすが地元パワー、プリンセス駅伝1区区間賞の力を発揮。昨年引退した尾西さんを彷彿とさせる風貌で2区宇田川さんが実業団駅伝デビューで快走、7位で3区に繋ぐ上出来の序盤。しかしエースの松﨑さんはプリンセス駅伝より明らかに不調、クイーンズ駅伝の為だけに修行中のアメリカから一時帰国した調整不足は否めない。早大時代の大迫選手の箱根駅伝を思い出す。3区以降は10位を守り抜きそのまま終戦、森さんがこの駅伝で復帰したのは来季に繋がる。ただ積水科学のウィークポイントは3区と5区のエース区間。他区間では上位で勝負する力はあるだけに、佐藤さんのさらなる覚醒を期待するか、それとも新戦力か、あともう1枚の台頭が待ち遠しい。

 

11位 資生堂 → 9位

│予想区間オーダー
吉川侑美─須永千尋─高島由香─岡本海愛─田中華絵─真柄碧

1区のスペシャリスト竹中さんが引退されたマイナスを田中華絵さんが移籍してきたプラスでカバーできるとしたら今年もクイーンズエイト入りか?しかし資生堂の生命線でもある3区専用マシーン高島さんがマラソンランナーに変貌。例年通りの強さを惜しみなく披露する保証はどこにもなければ、それだけで資生堂の戦力は相当にダウン。このマイナス材料を補える明るいニュースをルーキーがもたらせるのかは今のところは未知数、昨年の日本インカレ10,000mを制した期待の今村咲織さんも今年はここまで出走なし。スピードもある吉川さんに1区を託して高島さん終わりで3位以内に押し上げるいつもの作戦が今年も炸裂できるのか。残念ながら今年は届かず3区終わりで6位と予想。強さと美貌を兼ね備える資生堂、ここ数年の移籍者頼みのチーム編成ではクイーンズエイト入りはやや厳しいか。

│区間オーダー
岡本海愛─吉川侑美─高島由香─須永千尋─真柄碧─田中華絵

高島さんは結局例年通り強かった。3区で6人抜き、クイーンズエイトを争うエースたちから軒並みアドバンテージを奪う。ただ高島さんを擁してもクイーンズエイトまで1歩届かずの9位は単純計算すると竹中理沙さんの引退。その竹中さんが無類の強さを見せた1区を託されたのはルーキーの岡本さん。区間14位は来季への糧となるか。吉川さんも流れを引き寄せられず14位のまま3区へ、昨年が2区終わりで2位だったことを思えば最終順位が9位で踏みとどまったのは田中華絵さんの加入によるところが大きい。しかし資生堂のスピードを支えていた元1,500m日本王者の須永さんが今季で引退、二年連続資生堂の顔を失うピンチを世代交代のチャンスに変えられるか。高島さん頼みを脱しないようでは川越監督が目標に掲げるクイーンズ駅伝優勝はまだ遠い。

 

 

以上、クイーンズ駅伝2018の答え合わせでした。的中したのは10位の積水化学のみ。全区間1位で通過し完全優勝を果たしたパナソニックの唯一前を走ったのが2区のデンソー倉岡さんのみ、デンソーが首位を走るシーンは全くイメージしておらずその力を見抜けなかったわけです。九電工の加藤岬さんがアキレス腱痛で途中棄権、第一生命の上原さんが失速するなど強豪チームのマラソン代表を目指すエースたちは本調子ではなく、それがまたパナソニックの独走を許した遠因かもしれません。

 

2019年は東京オリンピックマラソン代表をかけて各チームのエースたちがすべてを懸けるシーズン、それが果たして駅伝にどのように作用するのか、マラソンを走らない選手たちの活躍にも期待したいところです。

 

クイーンズ駅伝2018総合成績はこちらから。

 

 


14 Responses

  • ワコールの加代さんはどこに出しても通用しますね。一山さんはもつと離せないといけない。しかも3番でした。フォームは良くなつてます。他の人にテンポを合わせるような癖があります。加代さんはどんどん前に出てゆきました。右の腕の引きが強くなつてます。京セラのあずきさん左の腕を抱えるような走り方ができませんかね。松田アンナさん足は良く上がつててこれからが期待できます。

  • 一山さんはラストのキレがない分、どうしても競り合いで負けてしまいがちですね。

    京セラ松田さん、故障の不安もなくなり目一杯いけてましたね、来季が楽しみです。今年はクイーンズエイトに入ると思っていたのでそれは残念ですが。

  • 優勝はトヨタ自動車か旭化成ですかね〜、やっぱり層が厚いです。

    旭化成は福岡国際を走った市田兄弟は出ないと思いますが村山兄弟と鎧坂さんが好調なのが強いです、今年は山口修平さんがエントリーされるのではないでしょうか。

    トヨタ自動車は宮脇さんが走れるかどうかですかね〜。東京マラソン以来走れていないので状態が良いとは思えないのです。もし宮脇さんが昨年並に走れたら優勝はトヨタ自動車だと思います。

  • 前田節夫2:13:54  前田淳子2:44:21
    姫野重行2:14:45  宮原美佐子2:29:37
    高橋浩一2:10:55 朝比奈三代子2:25:52
    西政幸2:11:10  岩下里美2:29:53
    弘山勉2:11:37  弘山晴美2:22:56
    本田大造2:17:06  山本佳子2:26:26
    清水康次2:08:28  麓みどり2:27:55
    高橋健一2:10:51  小出正子2:28:28
    森勇気2:16:24  小松ゆかり2:28:48
    S・マヤカ2:19:11  盛山玲世2:27:41
    小島忠幸2:08:18  武田静枝2:33:01
    大島健太2:12:54  大島めぐみ2:24:25
    尾田賢典2:09:03  甲斐智子2:28:13
    佐藤智之2:09:43  西薫2:32:39
    高見澤勝2:12:10  嶋原清子2:25:10
    野口拓也2:08:59  竹中理沙2:28:09
    村山謙太2:09:50  田山絵理2:39:53
    窪田忍2:13:02  前田彩里2:22:48

  • すごいですね〜、まずこんなにいらっしゃるのが驚きです。

    トップに前田&窪田コンビが躍り出たと思ったら、弘山夫妻が速い!

    窪田さんのサブ10次第ですね。

  • ありがとうございます。
    いつも楽しく読ませて頂いております。
    クィーンズ駅伝はまた素晴らしいレースでしたね。彼女たちの命がけでがんばっているのが、痛いほどわかります。
    ただ相変わらずTBSのアナウンサーの実況はお粗末そのものでした
    チーム名を間違えたり、選手名を間違えたり、増田さんの解説は八割は世間話しをしているのはまあいいとして レースの様子をもっと迅速かつ的確に伝えて欲しいものですね?
    例えば二区で、豊田自動織機の選手が、後ろから上がってきて前のグループを追い抜いて三位に上がってきているのに、一言も触れていないのは、どういう事なの?
    先頭ばかり目を向けてレース全体を映してレースの流れを伝えて欲しいといつも、欲求不満に陥っているのは、わたしだけでしょうか?

  • いつもありがとうございます。

    仰る通り実況と解説はかなり気になりました。
    クイーンズとニューイヤーを受け持つ局であればもう少し駅伝を好きになって頂きたいですね。
    最も各チームが目立つことのできる中継所でチーム名を間違えて絶叫していたのにはガッカリしました。
    最初から段取りありきの実況ですので
    二区で織機があがっているのも取り上げられない、
    いくら繋ぎのスピード区間とは言え区間賞の走りにスポットを当てないのはありえないです。
    増田さんもそろそろネタ切れ感がありますので、
    取材をして頂いて新しい選手の新ネタを仕入れて欲しいものです。

  • さいたま国際はコースが悪いと言われていますが、どうなんでしょうか。
    とにかく今田さんは残念でした。
    女子の場合はトップ中のトップとその他の選手の間に力の差があるのですかね〜。
    しかも女子で平均的にタイムを出している人は多くはないので、
    やはり調整も難しいのかもしれません。
    それにしても、もう少しMGC獲得できるかと思いましたがこの時点で8人とは、
    男子に比べると条件設定に何らかの問題があったのかもしれません。

  • ニューイヤー駅伝2区で昨年実現しなかったセキノ興産ひらまつ病院の同姓同名対決、今年こそ実現するでしょうか?

  • ニューイヤー駅伝2019結果
    1 旭化成  
    2 MHPS  
    3 トヨタ自動車  
    4 富士通  
    5 コニカミノルタ  
    6 トヨタ自動車九州  
    7 マツダ  
    8 カネボウ

    地力のあるチームが上位に。
    マツダの入賞は素晴らしい。
    コニカミノルタの挽回ぶりも素晴らしい。
    Hondaはエース不在とは言え残念でしたね。

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