朝、トイレに行く、服を選ぶ、ハンカチやパスケースの忘れ物がないか確認して家を出る。階段を降り、ふと思う。あれ?鍵かけたっけ?いやだ不安。階段を昇り、ドアをガチャガチャする、締まってる。

 

この無駄な作業を何度も繰り返している臆病者だから、戸建てよりマンションの方が防犯面で安心できると思っている。田舎の一軒家で生まれ育った僕がマンションで暮らすことなどありえないと思っていたのも遠い昔の思い出になりました。

 

侵入窃盗の場所別発生状況は、住宅が54.8パーセントを占めており

  • 一戸建て住宅23.4パーセント
  • その他の住宅21.8パーセント
  • 中高層住宅(4階建て以上)9.6パーセント

となっています。
(注記)「その他の住宅」、3階建て以下の共同住宅、テラスハウス等

(平成27年警視庁生活安全総務課 手集計より)

 

時折ニュースで見る、窃盗、空き巣のニュース。東京で暮らし始めてから、戸建てが世の中に対して随分と無防備な存在に思えてしかたない。金はないのに不安感だけはある。そんな漠然とした不安感をバシッと鮮やかに表現したコピーが、宣伝会議賞でグランプリを獲ったセコムのこの作品。

 

 

家は路上に放置されている。(志儀 永二郎)セコム ※第46回宣伝会議賞グランプリ

 

 

鋭い発見があれば、何の装飾もいらない、見つけてお届けするだけで成立してしまうドキュメンタリー性の高いコピー。こんなコピーはなかなか書けない、第一発見者だけに与えられたご褒美です。

 

宣伝会議賞の受賞コピー数あれど、このコピーは強い、上手いコピーも凄いけど、強いコピーは胸を打つ衝撃度が違います。実際の広告にも充分使えるタイプのものであるけど、どうなんでしょ、使われたのでしょうか?

 

宣伝会議賞グランプリの賞金100万円は必要ですし、欲しいですが、副賞として「実際の広告に使用される権利」を付与するのはどうでしょうか。ダメですか。ただのコンテンストで終わらせるのではなく、ひとりのコピーライターの出世作として世に送り出すことで宣伝会議賞がより有意義なものとなるはずですが。

 

もし、仮にこのグランプリコピーをセコムが世の中に発信したら、きっと空き巣は減る(希望も込めて)。このコピーは誰あろう空き巣目線で語られているようにも読めるから。ターゲットの空き巣も絶賛してくれるに違いない。

 

(平成27年警視庁生活安全総務課 手集計より)

 

その甲斐あってか無いのか、昨今、東京都内の空き巣は年々減少しているようです、もし宝くじが当たったら一戸建てを買えるかもしれません。庭付きセコム付きの。

 


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