台風接近によるコンディション不良が心配されましたが福岡県宗像市で予定通り開催された今年のプリンセス駅伝。雨で外出する気が失せるなか、とても楽しくテレビ観戦できました。スピードのある人が風に流されたり、ノーマークのチームが上位に食い込んだり、またまた14位ボーダーライン争いに残酷なドラマが用意されていたりと、事前予想とは異なる結末となりました。クイーンズ駅伝への出場権を目の前に倒れてしまったエディオンの6区若林さんは大丈夫かな。回復を祈るばかりです。
まずはクイーンズ駅伝の切符を獲得した14チーム。
1位 豊田自動織機
2位 パナソニック
3位 ダイハツ
4位 積水化学
5位 デンソー
6位 シスメックス
7位 ホクレン
8位 肥後銀行
9位 しまむら
10位 TOTO
11位 スターツ
12位 ノーリツ
13位 京セラ
14位 三井住友海上
15位以下の結果はこちらから
プリンセス駅伝2017総合成績
シスメックスと肥後銀行が予想外の大健闘。それにスターツもワンジルパワーがあるとは言え14位以内に入るとは思いませんでした。このスターツの流れ、ルートインホテルズがやりたかったレース展開では?宮崎銀行の大砲、1区後藤奈津子さんが不発に終わったのも残念、超絶結果論ですが追い風で長い距離の5区の方が適していたのか…宮崎銀行もルートインホテルズもまた来年に期待して、お疲れ様でした。
そして、区間賞はこちら。
1区 森 智香子(積水化学)
2区 渡邊 菜々美(パナソニック)
3区 堀 優花(パナソニック)
4区 ローズメリー・ワンジル(スターツ)※日本人1位 中舍 朱音(積水化学)
5区 前田 彩里(ダイハツ)
6区 林田 みさき(豊田自動織機)※区間新
松田 杏奈(京セラ)※区間新
積水化学の森さんは1区区間賞がもはや定位置か。かつてのヤマダ電機森唯我さんのよう、ラストのキレがエグかった。2区のパナソニック渡邉さんは力強い脚の運びで風の影響を受けにくかった印象、区間3位だった積水の尾西さんをちぎった力は区間賞に相応しい。3区のパナソニック堀さんは速かったし、強かった、本大会MVP。3区の区間賞は積水の松崎さんを予想していましたが、やっぱりロードになるとトラックでの成績だけでは計れない。外国人出走区間の4区で日本人1位になった中舎さんは尾西さんが引退してしまう積水の明るい材料。5区の前田さんは駅伝復帰レース。かなり絞れていたので風の影響が心配でしたが、前半の向かい風にはぐっと耐えて後半は持ち前の推進力で区間賞のスピードはさすが。やっぱりマラソンに期待したくなる走りっぷりでした。6区では淡々とした表情で優勝をもぎとった豊田自動織機の林田さんと必死の形相で13位をもぎとった京セラの松田さんが区間新で同タイム。
続いては、こちらのブログ記事「もうすぐプリンセス駅伝2017」に書いた事前入賞予想の答え合わせです。
1位 豊田自動織機 → 結果1位(アタリ!)
昨年のクイーンズ駅伝での失格が無ければ恐らくシード権を得ていたチーム。好調の福田さんが1区、去年から距離を伸ばしたエースの横江さんが3区を走れば普通に強いはず。5区は沼田さんでも菅野さんでも大崩れはないはず。4区で外人選手使えるのがデカイ。ただし予選会にはピークを持ってこないかもしれないし、先日赤羽コーチが辞めちゃったし案外5〜6位でゴールする可能性も。
横江さんが補欠にまわったにもかかわらず、優勝。さすが層が厚い。1区の菅野さんが区間10位ながらも2区薮下さんがきっちりまとめて上位をキープしたのが大きい。エース区間を走れる人が複数いて全体を通して穴がなく強いチーム。6区区間賞の林田さんの走りが光った。
2位 積水化学 → 結果4位(ハズレ…)
1区森智香子さん、3区松﨑さん、5区桑原さんの3人は区間上位は間違い無し。特に松崎さんは今年絶好調なので区間賞候補。この3人に今年東洋大から入社し急成長の佐藤さんはじめ若手にスピードもある。個人的にはロードが苦手なトラック女王尾西さんの走りがみたい。アクシデントがなければ表彰台は堅いどころか優勝もある!
エース区間の3区と5区で勝負できなかったのが敗因。今年トラックで無双状態だった松崎さんに、本職はマラソンの桑原さんにとっては調整しにくいレースでしたか。ただその中でも結果を出した森智香子さんのタフさが際立った。区間3位でまだまだ健在な尾西さんの引退は寂しい限り。
3位 京セラ → 結果13位(大ハズレ…)
特筆すべきエースはいないけどロードに強く駅伝向きのチームな印象。今年は5,000mを中心に自己ベストを更新する選手も多く大会のダークホース的存在。昨年同様1区で足立さんが区間上位で来たらチャンスあり。どうしても佐藤監督の名前だけで応援してしまう。
1〜2区はいい流れだっただけに3区と5区でもう少し頑張れていたら間違いなく入賞圏内に食い込んだはず。でも6区の松田さんのチームを13位まで押し上げる凄まじい暴走機関車ぶりが見れて良かった。
4位 ダイハツ → 結果3位(ハズレ…)
3区は松田さんで区間賞候補。復活した前田さんが5区を無難に走れば上位を狙えるけど走れない場合は悲惨。あとは今年も佛教大の元エース吉本さんの復活具合も見どころ。すべてが上手くハマれば4位、ダメなら下位に沈む予感。ベテラン木崎さんの元気な姿も見たい。
1区吉本さんの体つきもフォームもシャープになって驚いた、しかも区間5位!3区の松田さんが相変わらずゴリゴリの走りで中継カメラを独占。5区の前田さんの美しいフォームは参考になります。ややぽっちゃりの久馬姉妹を抱えてもなお3位とは強すぎる布陣。大崩れなくきっちり走れる6区の竹本さんの存在が大きい。大森さんが復活したら日本一を狙えるチームに。
5位 TOTO → 結果10位(大ハズレ…)
昨年のプリンセス駅伝優勝チームなのでコースにはいいイメージを持っているはず。去年5区を走った早川さんが退部したけど代わりに松山大から中原さんが入社したのでその穴はすっぽり埋められてなお余りある戦力アップ。ただしトラックではあまり目立った活躍が無かったのが微妙。ただTOTOも京セラと同様にロードに強い印象、トラックの持ちタイム以上の脚力を発揮し今年も上位へ。4区で外人選手使えるし。
1区の出遅れが最後まで響いてしまいました。3区か5区を予想していた中原さんが2区では勝負できない。ただ5区の一さんの頑張りでクイーンズ駅伝の出場権は獲得できたのは良かった。本戦こそダークホースになるように期待したい。
6位 パナソニック → 結果2位(ハズレ…)
エースの堀さんが何区を走るかによって大きく順位が変わる気配。森田姉妹の調子が良さそうなのと新人の渡邉さんに期待。ただ長い距離を走れる加藤さんの調子がどうなのか。昨年よりチーム力はアップしているはずなので復調傾向のベテランとスピードのある若手がうまく噛み合えば更に上位を狙えそう。
堀さんが3区を走れば強いとは思っていましたが、区間賞を獲るほどに早いとは。そして森田姉妹もそれぞれ1区と5区で区間2位とまさに双子の仕事ぶり。優勝した織機とは外国人の差と言ってしまえばそれまでですが、日本人のみの編成であの強風の中で素晴らしい結果です。
7位 デンソー → 結果5位(ハズレ…)
かつての駅伝女王も絶対エースの高島さんが資生堂に移籍した昨年は優勝どころかシード落ち。チーム全体としても下り坂な印象は拭えないけど倉岡さんのスピードと光延、小泉コンビに以前の脚が戻れば充分入賞圏内。4区で外人選手使えるし。
倉岡さんも出走せず、ワイリムも温存?したにも関わらず5位はさすが。6区間とも無難にまとめた印象ですが、やはり1区光延さんと6区小泉さんの力が大きい。クイーンズ駅伝を見据えた采配がどうでるか、本番が楽しみ。
8位 ホクレン → 結果7位(ハズレ…)
昨年のプリンセス駅伝で5位だったメンバーがそのまま残るホクレンを8位に。繋ぎの区間で大きく遅れなければ5区、6区で踏ん張れそうな気がします。エースの清水さんがどこを走るかにもよりますが振り向けばホクレン、なんだかんだでこの辺に来そうな予感。
エースの清水さんが補欠に回ったにも関わらずきっちり7位はさすが振り向けばホクレン。練習量が多いチームとしか思えないほどの安定感。ルーキー二人の活躍も去ることながらベテラン宮内(姉)さんが4区で区間8位は素晴らしい。
以上、1勝7敗。この悔しさは11月に開催されるクイーンズ駅伝で!
台風の直撃は免れたとは言え、あの強風の中では走る人も応援する人も大変です。もちろん運営側にも大変なご苦労があったことと思いますが、タスキ渡し時のコースの分岐が紛らわしく直進しそうな選手も見受けられました。必死で走る選手のコース間違いほど悲しいものはありませんので要改善を。紛らわしいと言えば積水化学のユニフォームの色が赤から青に大胆にリニューアルされて戸惑った今年のプリンセス駅伝でした。
いよいよ次戦は11月26日、舞台を仙台に移してのクイーンズ駅伝。今日出場権を決めた14チームと昨年のクイーンズ駅伝でシード権を獲得した8チームによる駅伝女子日本一をかけた決戦です。プリンセス駅伝の勢いのまま豊田自動織機が勝つのか?それとも昨年女王JP日本郵政か?はたまたヤマダ電機か?またWEBサイトの情報だけを頼りに予想します。ありがとうございました。
この続きはクイーンズ駅伝2017で!