暑すぎてLSDも14kmで断念するこの夏。都内の路上は40℃くらいあるんじゃないかと疑うほどアスファルトからの熱波が厳しくエアコンの室外機からの熱風が容赦ありません。少しでも気を抜くとすぐに脚も根性も燃え尽きてしまう。でも、サラサラの灰になりながら「こんな猛暑に何やってんだろう」って自虐の念にかられることがLSDの気持ちよさでもあります。だからLSDは夏がいい。

 

ランニングの雑誌や本を読んでいると、真っ向から対立する見解をよく目にします。準備運動をするorしないとか、フォアフット(つま先着地)が良いor悪いとか。LSDもそのひとつです。

 

LSDはLong Slow Distanceの略で、その名の通り長い時間(距離)をゆっくりとしたペースで走り続けるマラソンのトレーニングのひとつ。長時間の有酸素運動で毛細血管の果ての果てまで酸素を送り込み、筋持久力を向上させることが目的です。身体に日常生活では味わえない長時間運動を覚えさせ、マラソンには欠かせない忍耐力を鍛えるわけです。

 

このLSD、ゆっくりだらだら走ることがストライドやフォームを小さくさせる要因となるので、おすすめできないという考え方もあります。この平和な世の中、反対意見はたくさんの注目を浴びるのに手っ取り早い方法なので反対したくなる気持ちもわからないでもないですが、5000mや10000mを主戦場にする実業団選手ではあるまいし、LSDはマラソン完走を目的にする場合どう考えても必須でしょう?と反対してみます。

 

走力や目的にもよりますが、LSDは最低120分以上、または20km以上が目安です。息が切れないほどのゆっくりペースなので気楽な部類のトレーニングですが、一人でゆっくり走るのはなかなかしんどく、先を急ぎたくなるあまり本来は1km7〜8分で良いところを5〜6分までスピードを上げてしまいがちです。

 

暮らしている東京都世田谷区で20km以上となると、どこをどう走って距離を稼ぐかが悩みどころです。しかし今ではGoogleマップやストリートビューがあるので事前におおよその距離や道路状態を計算してコースを決められるようになりました。走りやすさを考慮して人通りの多い青山通りや排気ガスに包まれた環七や環八といった極太の幹線道路をなるべく外しながら、大きな公園の周回コースを利用して何とか目標距離を確保しています。

 

駒沢公園は1週2.1kmのランニング専用のコースが整備され、トイレも自販機も多いので快適。緩やかながら起伏もあるのでいいトレーニングになります。何より土日ともなるとたくさんのランナーが走るのでアウェイ感を感じなくて済むのがいいです。やっぱり人の走っている姿を見ると励みになります。

 

 

それに比べて代々木公園は人種のるつぼと化しているので、ランニングコースはあるにせよランナー以上にランナーじゃない人が多いのでちょっと走りにくいです。森の中を走る感覚でふとした瞬間に都内にいることを忘れさせてくれますが、それもつかの間、大勢のカラスたちが現実に引き戻してくれます。走りながら頭上で轟く悲鳴にも似た鳴き声は恐怖です。個人的には代々木公園は長居せず気分転換に立ち寄る場所にしています。(自販機もトイレも駒沢に比べ少ない)

 

30kmもしくは3時間を超えて走る時は補給食やサプリメントを常備するようにしています。特に夏場は塩分が不足しないように「塩熱サプリ」を持ち歩くことも。その効果のほどはわかりませんが、過去に一度脱水になって身体が動かなくなる恐ろしさを経験してからは、お守り代わりに持ち走っています。

 

冬に最も気をつけたいのは防寒とトイレの位置。出発時は元気な身体も冷たい風の影響で急激にお腹が冷えて腹痛に見舞われることもあります。胃腸が弱い者にとって知らない街でのLSDはそれなりの準備と覚悟が必要になります。

 

LSDはまだ出会ったことのないトラブルをあえて経験しに行くようなもので、それをいかに想定して対処できるかの訓練なんだと思います。痛い思いはしたくないけど、痛い思いをしないと学べないのがマラソンですし。

 

 

明けても暮れても仕事をしたり洗濯干したり、銀行に行ったり掃除機かけたり、不本意な飲み会や買い物に付き合ったり、生きる上ですべきことが山積してる中でLSDに時間を割くのはとても難しくて思うように走れないのが現実です。そんな我慢を積み重ねて、夏の帰省先でするLSDが年に一度のお楽しみです。東京で溜め込んだストレスを信州の空に撒き散らして走る、LSDの夏がもうすぐです。

 

 


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