健康のためにランニングをしていますが、健康でないとできないのもランニングです。奥が深そうで実に浅いことを述べていますが、今年は5年ぶりにフルマラソンを走らない春になりそうです。

 

世間ではMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)を懸けて毎週末に実業団のマラソンランナーたちがしのぎを削っていますが小市民ランナーのぼくは週に3〜4回くらいのランニングがせいぜい、しかも8〜10kmほどの距離。いっときは月間300kmをこなしていた脚や腹回りにもしっかりと無駄な肉がつきました。「おかえりなさい贅肉」今ではすっかりぼくの身体の一部です。

 

これまでのサイクルなら暑い夏のさなかにスピード練習をして心肺機能を鍛え、秋を過ぎたら少しずつ距離を伸ばして持久力を上げる。そして12月からペース走を繰り返し、年が明けたら30km走を取り入れて3月のマラソン大会にのぞむ。それがフルマラソン攻略のスケジュールでした。

 

しかし、うっかりしていましたが小市民ランナーが闘うべき本当のライバルは現実だったのです。仕事や家族がそんなスケジュールを何年もこなすことを許してはくれませんでした。そしてここに来てたびたびの体調不良です。健康になりたいが為に続けてきたランニングに健康を損なわれ始めたのは本意ではありません。仕方なくサブスリーの目標を目の届かない心の奥にしまって2017〜2018年シーズンは心と身体の健康のためにランニングをセーブすることにしました。

 

フルマラソンは42kmの大人の遠足です。たくさんの元気と多少のお金がなければで参加できません。遠足の高揚感が出発前夜にピークを迎えるようにマラソンもその前夜に一度ピーンと針が振り切ります。あのドキドキとワクワクと明日42kmを走らなければならない憂鬱が渾然一体となり襲い来る高揚感はいい歳をした大人がなかなか味わうことができない稀有な感覚だと思います。30も半ばを過ぎたらクリスマス・イブよりもフルマラソン・イブです。しかしその聖なる夜を自宅で過ごしてはその高揚感は半減します。上限いっぱいに味わうにはやはり前乗りしてビジネスホテルで迎える夜がおすすめです。

 

 

ぼくの場合、ホテルに着いても特にやるべきことはありません。それなのに妙に緊張しているからトイレの回数だけが増えます。ぼーっとしていても仕方がないので机の上に持参した食べ物と飲み物を並べます。パーティ気分を盛り上げるでもなく、そうしないとカバンから出し忘れたりせっかく持参したサプリメントを飲み忘れることがよくあるからです。マラソン前日は常に冷静さを失っていますので普段のじぶんを信頼すると漏れなく裏切られてしまいます。

 

そんな時に役立つのが事前に作成したメモ書きです。持ち物や食べ物リストはもちろん、本番に向けて気がついたことを書き出した紙を持参します。それを旅のしおり代わりに行動できますし、ただ見返すだけでも安心できます。まさに御守りです。マラソン当日は朝が早い上に参加者が多くて容易にパニックに陥りますのでメモ書きは本当に役立ちます。

 

これは第二回古河はなももマラソンに持参したメモ。レースの1週間前くらいから自問自答を繰り返して持ち物や食べ物を決めていきます。持ち物は変わりやすい春の天候に対応できるようにやや多めに、レース当日の食べ物は過去の経験から最適だと思えるものを選んでいます。

 


◆ラップ

1km 00:04:41

5km 00:23:27

10km 00:46:55

15km 01:10:23

20km 01:33:50

HALF 01:39:00

25km 01:57:18

30km 02:20:46

35km 02:44:14

40km 03:07:41

GOAL 03:18:00


◆持ち物

・レース用シューズ

・レース用ウェア

・アームウォーマー

・ゲイター

・ネックウォーマー

・手袋

・タイツ

・ハーフパンツ

・インナーパンツ

・ソックス

・時計

・サングラス

・バスタオル

・帰りの着替え

・長袖シャツ

・パンツ

・補給食、塩熱サプリ、スーパーバーム

・新聞紙

・汗拭きシート

・着たウェアを入れる袋

・引換証

・ゼッケン留め

・ワセリン

・絆創膏

・パッチ

・防寒用ゴミ袋(顔と腕を出す部分を切っておく)

・バブ

・トクホン

・iPhone充電器

・ガーミン充電器

・化粧水

・コンタクトレンズ


◆前日までの注意点

・爪を切る

・生ものは食べない

・食物繊維は食べない

・炭水化物を多めにとる

・水分をこまめに補給する

・コーヒー、お茶を控える

・湿度は50%以上

・室温は20度


◆当日食べるもの

<3時間前>

・100%オレンジジュース

・豆乳

・スポーツドリンク+水

・赤飯おにぎり

・梅干しおにぎり(海苔なし)

・しじみのみそ汁

・バナナ

・カステラ

・大福


<1時間前>

・アミノバイタル


<30分前>

・スーパーバーム


<レース中>

・10km エナジージェル(ハニースティンガー)

・20km エナジージェル(パワーバー)

・30km エナジージェル(ショッツカフェイン)

・35km エナジージェル(ハニースティンガー)

・塩熱サプリ6個 30分に1個


<レース後>

・アミノ酸、クエン酸

・100%オレンジジュース

・アミノバイタル

 

そこまで気にしなくてもいいじゃん?と思う時もありますが、そこまで気にしたいわけでなく、ほかにやりたいこともないのです。それにあれこれ妄想している時間は現実逃避ができますし束の間のアスリート気分を味わうこともできます。市民ランナーに運動経験なしの人が多いのもわかります。

 

この時の古河はなももマラソンの結果は、ネットで3時間18分34秒。予定通りのイーブンペースでゴールできた会心のレースでした。42km耐えただけでこんなにもたくさんの喜びを頂ける、マラソンは前夜とゴール後が楽しい。本当は走りながら苦しくて仕方ない時の楽しみ方もあるのですが、それはまた別の機会に。マラソンランナーのみなさま、お読みいただいてありがとうございました。

 

 


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